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​グランドキャニオン国立公園

Grand Canyon National Park​

🔸アリゾナ州

​🔸国立公園/National Park since 1919

🔸世界遺産/World Heritage since 1979

グランドキャニオンってこんなところ

グランドキャニオンは世界中の多くの人が一生に一度は訪れたいと憧れるアメリカ大陸を代表する観光地の一つです。キャニオン(渓谷)のスケールの壮大さやそこで見る事が出来る地層の歴史などは他に類を見ません。グランドキャニオンはアメリカ西部にあるアリゾナ州の北部に位置しており、大都市フェニックスから車で約3時間、ラスベガスからは車で約4時間半の距離にあります。渓谷そのもののスケールは東西に流れるコロラド川に沿って全長446キロの長さがあり、これは東京ー京都間の距離に相当します。コロラド川の水の流れによって長い時間をかけて台地が侵食され、最も深いところで1500メートル以上の深さを誇る渓谷では、展望台に立つとあまりの渓谷の深さに川幅約100mのコロラド川が豆粒ほどの大きさにしか見えないほどです。グランドキャニオンを形づくる台地は渓谷によって北と南に分断されており、それぞれを北壁(ノースリム)と南壁(サウスリム)と呼びます。グランドキャニオン国立公園で最も有名なサウスリムの展望台「マーサーポイント」に立つと、そこから見える対岸ノースリムまでの距離は約16キロにも及びます。

グランドキャニオンは西部開拓の時代の終わり頃、世の中に自然保護の風潮が出始めた1900年代の初めにアメリカで最初の自然保護区の1つに指定されました。自然愛好家としても知られるセオドア・ルーズベルト大統領の時代です。その後1919年に国立公園の指定を受け、1979年にはアメリカで2番目のユネスコ世界遺産に指定されました。多くの人はグランドキャニオンで見る雄大な景観に魅了されますが、訪れた際に是非注目して欲しいのは世界遺産の指定を受けた理由でもあるグランドキャニオンの地層(岩)の歴史です。展望台に立った時の足元には2億7千万年前の地層(石灰岩)があり、目線を徐々に下に向けて行くと1500メートル下の谷底に向かって3億年・5億年・10億年と地層が古くなって行きます。谷底にある最も古いものは約20億年前の地層(花崗岩)です。それらの地層の大半は台地と水平に重なっていて、まるでバームクーヘンの断面のように美しく並行に重なっています。アメリカ大陸ならではの、地球の最古の時代にタイムスリップができるロマンに満ちた特別な場所です。

おすすめビューポイント

|マーサーポイント(Mather Point)

アメリカの国立公園の初代局長を務めたステファン・マーサー氏の名前がそのままビューポイントの名前となった、グランドキャニオン国立公園で最も人気のある展望台です。マーサー氏はサンフランシスコの起業家で自然愛好家でもありました。自然保護が始まったばかりのヨセミテ(現在のヨセミテ国立公園)に趣味で頻繁に足を運んでいましたが、ずさんな自然保護体制に不満を持って当時自然保護を管轄していた内務省に何度となく苦情を提した事で、逆に自然保護の責任者に抜擢されました。現在のアメリカの自然保護の規則の大半がマーサー氏の精神がベースとなっています。そんな彼がグランドキャニオンで一番のお気に入りだったポイントにマーサーの名がつけられました。またグランドキャニオンで朝日鑑賞をするのに最高の展望台の一つでもあります。

|ブライトエンジェルロッジ周辺

グランドキャニオン国立公園サウスリムには6つの園内宿泊施設があり、その中で最も歴史のある施設の1つがブライトエンジェルロッジです。1901年に開通したグランドキャニオン鉄道の駅も近くにあり、多くのハイカーが谷底に向かうブライトエンジェルトレイルのスタート地点にもなっています。ブライトエンジェルロッジを中心としたホテルやレストラン・ギフトショップなどが集まるエリアがブライトエンジェルロッジ周辺です。グランドキャニオンの大渓谷を楽しみながら、国立公園らしい施設や歴史的建造物などをまわることができます。

|ヤバパイポイント

マーサーポイントから渓谷に沿って約1キロほど西に移動するとヤバパイポイントと呼ばれるビューポイントに出ます。ここにはグランドキャニオンの景色を室内から鑑賞できる展望施設があり、暑い夏場や寒い冬場でも快適にパノラマの景色をガラス越しに楽しむ事が出来ます。この展望施設内にはグランドキャニオン全体の模型やグランドキャニオンが出来上がるまでの歴史を各時代の珍しい岩のサンプルと合わせてわかりやすく説明しています。マーサーポイントがやや東を向いていて朝日鑑賞に適しているのに対してヤバパイポイントはやや西向きで夕日鑑賞の展望台として人気があります。

|デザートビューポイント

マーサーポイントやブライトエンジェル、ヤバパイポイントがあるグランドキャニオンサウスリムの中心エリアはグランドキャニオンビレッジと呼ばれます。一方そのグランドキャニオンビレッジから渓谷に沿って東へ約40キロほど車で移動すると、そこには蛇行するコロラド川が見事なデザートビューポイントがあり、グランドキャニオンビレッジのエリアとはまた違ったグランドキャニオンの姿を見せてくれます。デザートビューポイントは国立公園内で最も東側(コロラド川の上流側)の景色にあたる場所です。その名の通り砂漠の景色が見られる事が特徴の1つで、北向の展望台に立つと、西側(左手)が渓谷の景色、東側(右手)はアリゾナ州最大の砂漠地帯のペインテッドデザートという素晴らしいコントラストを見ることができます。また、1933年に女性建築家メリー・ジェーン・コルターの設計によって地元のインディアンの住居をモチーフに建てられた石造りの展望台『ウォッチタワー』と出会えるのもデザートビューポイントです。この歴史的建築物に使用されているのはグランドキャニオンから採取された大変貴重な古い岩で、国立公園外への持ち出しが許されないグランドキャニオンの岩を使用する事で景観を損なうことなく景色に同化させることに成功した美しい展望台です。グランドキャニオンの絶景とウォッチタワーのコントラストはこのポイントならではの楽しみです。

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